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特集 知っておくべき 外科手術の神経系合併症 その診断と対策
頸部大血管手術後のホルナー症候群
著者: 岡本宏之1
所属機関: 1東京大学医学部血管外科
ページ範囲:P.284 - P.287
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◆頸部血管手術後のホルナー症候群は,星状神経節から上頸部交感神経節までの交感神経の損傷によって起こる.
◆血管外膜に沿って剝離を進める限り交感神経の損傷はまずないが,術後に眼瞼下垂がみられたら第一に疑うべきである.
◆鎖骨下動脈の中枢側,特に椎骨動脈の起始部の操作では,内側に星状神経節が存在するので注意が必要である.
◆頸部血管手術後のホルナー症候群は,星状神経節から上頸部交感神経節までの交感神経の損傷によって起こる.
◆血管外膜に沿って剝離を進める限り交感神経の損傷はまずないが,術後に眼瞼下垂がみられたら第一に疑うべきである.
◆鎖骨下動脈の中枢側,特に椎骨動脈の起始部の操作では,内側に星状神経節が存在するので注意が必要である.
参考文献
1)正岡 昭:術後ホルネル症候群.ICUとCCU 12:7-13,1988
2)Cunningham EJ, Bond R, Mayberg MR, et al:Risk of persistent cranial nerve injury after carotid endarterectomy. J Neurosurg 101:445-448, 2004
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4)Dumont P, Denoyer A, Robin P:Long-term results of thoracoscopic sympathectomy for hyperhidrosis. Ann Thorac Surg 78:1801-1807, 2004
5)村上達哉,加藤裕貴,牧野 裕:冠動脈バイパス術後にHorner症候群を呈した1例.日心外会誌 36:273-276,2007
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