icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科66巻4号

2011年04月発行

文献概要

交見室

BISモニター,もう使っていますか?

著者: 出口浩之1

所属機関: 1ときわ病院外科

ページ範囲:P.500 - P.500

文献購入ページに移動
 麻酔深度の客観的な指標として脳波をモニターしようとする試みはこれまでも行われてきた.しかし,それが臨床に応用されるに至らなかったことは周知のことである.その理由は,全身麻酔中に脳波を記録すること自体が煩雑であり,特にリアルタイムに表示・解析することが困難であったことと,心電図や人工呼吸器などによるノイズが多く,したがって,通常以上の脳波解析の知識が要求されていたためである1,2)

 しかし,bispectral index(BIS)の登場によって麻酔中の鎮静度を数値化して表示することが可能となり,瞬時に計測できるようになった1).BISモニターとは,この脳波解析装置を使って行う中枢神経系モニターのことであり,本当に便利な器械ができたものである.主に手術麻酔時や集中治療室の患者の前頭部脳波を増幅し,スペクトラル解析によって0~100の数値で表示する装置である.ちなみに100は完全覚醒,100~90は覚醒状態,80~60は鎮静で,全身麻酔では60~40の間の催眠状態で維持することが推奨されている.なお,0は脳波停止を指す.

参考文献

1)森本康裕:BISモニター.Anet 12:3-7,2008
2)萩平 哲:脳波モニターを正しく使うために.日臨麻会誌 24:79-87,2004
3)Orser BA:Depth-of-anesthesia monitor and the frequency of intraoperative awareness. N Engl J Med 358:1189-1191, 2008
4)森本康裕,佐伯 仁,萩平 哲:本邦におけるレミフェンタニルの使用状況.臨麻 32:247-252,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?