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臨床報告
胃切除術後30年経過して発症した逆行性空腸重積の1例
著者: 猪川祥邦1 望月能成1 谷口健次1 越川克己1 横山裕之1 末永裕之1
所属機関: 1小牧市民病院外科
ページ範囲:P.663 - P.666
文献購入ページに移動患者は59歳,男性.30年前に胃潰瘍に対して幽門側胃切除術の既往があった.2008年9月の夜間,突然の腹痛と嘔気を主訴に当院の救急外来を受診した.上腹部に腹膜刺激症状を伴う圧痛を認めた.腹部CTで左上腹部に同心円状の腫瘤陰影を認めたため腸重積と診断し,同日,緊急開腹術を施行した.開腹所見では胃はBillroth Ⅱ法,結腸前経路の再建であり,ブラウン吻合部より肛門側10cmの部位に逆行性に空腸が重積していた.用手的に還納が可能であった.重積先進部には重積の原因となる器質的病変は認められなかった.術後経過は良好で,第10病日に退院した.胃切除後の腸重積症は稀な合併症であるため報告した.
参考文献
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