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Expertに学ぶ画像診断・5
拡大内視鏡―Pit pattern観察による大腸病変の拡大内視鏡診断
著者: 河野弘志1 鶴田修1 酒井健1 長田修一郎1 野田哲裕1 前山泰彦1 有田桂子1 長谷川申1 中原慶太1 光山慶一1 佐田通夫1
所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
ページ範囲:P.926 - P.934
文献購入ページに移動大腸内視鏡検査において病変を発見した場合,まずその病変が腫瘍か非腫瘍かを判断し,腫瘍が疑われる場合には治療の必要性を判断するために良悪性の診断を,さらに悪性が疑われる場合には治療方法決定のために深達度診断を行う必要がある.大腸病変の内視鏡を用いたスクリーニング検査は白色光による通常観察で行い,必要があればインジゴカルミン散布による色素法を加えるのが一般的である.これらの方法によって,病変の大きさ,肉眼形態,色調,表面性状などを観察する.通常観察にインジゴカルミン散布を加えた観察法のみを用いて腫瘍・非腫瘍を鑑別することは,鋸歯状腺腫や広基性鋸歯状病変などの例外を除き,多くの病変において容易であると思われる1).
しかし,腺腫と粘膜内または粘膜下層へ微小浸潤(1,000μm未満)した癌(以下,M~SM軽度浸潤癌)との鑑別や,癌が疑われる場合の深達度診断において,通常観察のみではその診断に難渋する病変も少なからず存在する2).そのような場合,通常観察に加えて,pitと呼ばれるわずかに窪んだ腺管開口部や窩間部の性状を詳細に拡大観察することで,より多くの情報を得ることができる(図1).また,得られた情報からより正確な診断を行うことで適切な治療法を選択することが可能となる.このような理由で大腸病変の診断における拡大内視鏡を用いたpit pattern診断の重要性は大きいと考える.
本稿では,拡大内視鏡を用いたpit pattern診断の手法,診断の実際,有用性やピットフォールについて述べる.
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