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特集 画像診断の進歩をいかに手術に役立てるか
胆道癌
著者: 清水宏明1 木村文夫1 吉留博之1 大塚將之1 加藤厚1 吉富秀幸1 古川勝規1 竹内男1 高屋敷吏1 久保木知1 鈴木大亮1 中島正之1 宮崎勝1
所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
ページ範囲:P.1052 - P.1057
文献購入ページに移動◆Multidetector-row CT(MDCT)は検出器の多列化により飛躍的に時間・空間分解能が向上し,胆道癌の詳細な進展度診断が可能となった.
◆胆管癌の水平浸潤部は,造影効果を有する胆管壁の肥厚とそれより上流側胆管内腔径の変化をもって評価するが,減黄処置後には,胆管拡張が消失し,また,チューブの影響のため進展度診断は困難になる.
◆MDCTではmultiplanar reconstruction(MPR)をはじめとする任意の断層像も得られ,肝門部の局所解剖,ランドマークとされる門脈と胆管浸潤部との相対的位置関係なども理解しやすい.
◆肝門部胆管癌における術式選択のポイントは,右側優位型の症例では左門脈臍部右縁における左側胆管浸潤の有無,左側優位型の症例では特に右後区域胆管の上流側の浸潤部位と右門脈との相対的位置関係からみた胆管切離の限界ラインの見極めと考える.
◆MDCTを活用するにあたっては,胆管良性狭窄の鑑別,胆管癌の上皮内進展の診断など,その限界も十分に念頭に置かねばならない.
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