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文献詳細

雑誌文献

臨床外科66巻8号

2011年08月発行

文献概要

特集 画像診断の進歩をいかに手術に役立てるか

胆道癌

著者: 清水宏明1 木村文夫1 吉留博之1 大塚將之1 加藤厚1 吉富秀幸1 古川勝規1 竹内男1 高屋敷吏1 久保木知1 鈴木大亮1 中島正之1 宮崎勝1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学

ページ範囲:P.1052 - P.1057

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【ポイント】

◆Multidetector-row CT(MDCT)は検出器の多列化により飛躍的に時間・空間分解能が向上し,胆道癌の詳細な進展度診断が可能となった.

◆胆管癌の水平浸潤部は,造影効果を有する胆管壁の肥厚とそれより上流側胆管内腔径の変化をもって評価するが,減黄処置後には,胆管拡張が消失し,また,チューブの影響のため進展度診断は困難になる.

◆MDCTではmultiplanar reconstruction(MPR)をはじめとする任意の断層像も得られ,肝門部の局所解剖,ランドマークとされる門脈と胆管浸潤部との相対的位置関係なども理解しやすい.

◆肝門部胆管癌における術式選択のポイントは,右側優位型の症例では左門脈臍部右縁における左側胆管浸潤の有無,左側優位型の症例では特に右後区域胆管の上流側の浸潤部位と右門脈との相対的位置関係からみた胆管切離の限界ラインの見極めと考える.

◆MDCTを活用するにあたっては,胆管良性狭窄の鑑別,胆管癌の上皮内進展の診断など,その限界も十分に念頭に置かねばならない.

参考文献

1)金本秀行,上坂克彦,前田敦行,他:MDCTによる胆管癌の進展度診断,減黄前MDCTの有用性と限界.胆と膵 29:1195-1199,2008
2)小西 大:MDCTの胆管癌水平方向進展度診断.多施設共同研究.胆と膵 29:1201-1205,2008
3)蒲田敏文,松井 修,山城正司:肝門部胆管癌のMD-CTによる診断.胆道 21:204-214,2007
4)清水宏明,伊藤 博,木村文夫,他:肝門部胆管癌の進展度診断―直接胆管造影.消化器画像 6:373-379,2004
5)遠藤 格,菅江貞亨,谷口浩一,他:3Dによる肝門部解剖と手術シミュレーション.胆と膵 29:1213-1217,2008
6)真口宏介,高橋邦幸,潟沼朗生,他:肝門部胆管癌の進展度診断―胆道とIDUS.消化器画像 6:381-390,2004
7)Nagino M, Nimura Y, Nishio H, et al:Hepatectomy with simultaneous resection of the portal vein and hepatic artery for advanced perihilar cholangiocarcinoma:an audit of 50 consecutive cases. Ann Surg 252:115-123, 2010
8)Shimizu H, Sawada S, Kimura F, et al:Clinical significance of biliary vascular anatomy of the right liver for hilar cholangiocarcinoma applied to left hemihepatectomy. Ann Surg 249:435-439, 2009
9)江畑智希,横山幸浩,伊神 剛,他:肝門部胆管癌に対する左3区域切除・尾状葉切除の適応と実際.肝胆膵画像 13:147-154,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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