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文献詳細

雑誌文献

臨床外科66巻9号

2011年09月発行

文献概要

特集 下大静脈にかかわる病態を見直す 〔下大静脈閉塞時の病態〕

下大静脈閉塞と下肢のうっ血

著者: 進藤俊哉1

所属機関: 1東京医科大学八王子医療センター心臓血管外科

ページ範囲:P.1178 - P.1182

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【ポイント】

◆深部静脈血栓症:左総腸骨静脈が骨盤内で圧迫される解剖学的位置関係から,左下肢に生じることが多い.その中枢側進展として下大静脈が閉塞する.

◆下大静脈腫瘍血栓:最も多いのは腎癌の下大静脈内進展で,ときに右心房に到達する.他臓器に転移がなければ手術適応であるが,下肢のうっ血は軽度にとどまることが多い.

◆慢性静脈不全:深部静脈血栓症の後遺症や静脈瘤の際に発症する.問題となる病態は腫脹ではなく皮膚の栄養障害であり,皮膚炎・湿疹や潰瘍を生じる.

参考文献

1)Lapostolle F, Surget V, Borrons SW, et al:Severe pulmonary embolism associated with air travel. N Engl J Med 345:779-783, 2001
2)肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断・治療・予防に関するガイドライン.循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2002~2003年度合同研究班報告).Circ J 68:1079-1134(suppl 4),2004
3)Beebe HG, Bergan JJ, Bergqvist D, et al:Classification and grading of chronic venous disease in the lower limbs. A consensus statement. Eur J Vasc Endovasc Surg 12:487-491, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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