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文献詳細

雑誌文献

臨床外科67巻10号

2012年10月発行

勤務医コラム・41

六道の辻

著者: 中島公洋1

所属機関: 1慈仁会酒井病院外科

ページ範囲:P.1269 - P.1269

文献概要

 今年のゴールデンウィークは,医者になって30年目にして初めて日当直のない4連休となった.実は2回入っていたのだが,若い先生に無理を言って交替してもらい,旅行へ出かけた.学会がらみではない普通の旅行など何年ぶりだろうか.ちょっと思い出せない.

 京都へ行った.混雑することはわかっていたので,できるだけ人出の少ない小さな寺々を廻ることにした.毎日病院にいる身としては,昼間からこういう場所をのんびり歩くのは,異空間にいる感じがして心地良い.その異空間の中に東山鳥辺野の六道珍皇寺はあった.平安時代のはじめ,小野篁(おののたかむら)という頭脳明晰なお役人がいて,昼間は朝廷へ出仕し,夜はこの寺の井戸伝いに冥界へ下って閻魔大王に仕えていた,とのこと.さしずめこの寺は,あの世とこの世との境―六道の辻―にあった,ということらしい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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