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あとがき
著者: 瀬戸泰之
所属機関:
ページ範囲:P.1476 - P.1476
文献購入ページに移動 そもそも,消化管吻合の始まりはいつ頃であったのであろうか.消化管癌手術の最初の成功例がBillroth先生による1881年の胃癌切除術であったことはあまりにも有名である(「再建法の歴史的変遷と現状」の項を参照).しかしながら,それは偶然成功したのでないことは想像に難くない.動物実験も含めた周到な準備が成功をもたらしたのである.もちろん,トライしていたのはBillroth門下だけではないことも知られている.Billroth先生の名声は後世,現代まで残り,医学部生であれば誰でも知っているほどである.その有名度は,かのHippocratesにも劣らない.一方,同じことを目指した余人の名は歴史上には残らない(実際はこちらの先生も,別件で名は残っているのですが).酷でもあるが,歴史は明快でもある.
本特集では,再建法の極意が見事に示されている.確かに,Billroth-I法の本質は変わっていないかもしれないが,かの時代よりは着実に進歩,前進していることが感じられる.Billroth先生の第2,3例目は手術死亡し,成功2例目は実際は4例目だったとのことである.現代においては手術死亡は稀なことであり,縫合不全も数%である.大いなる違いがあると思う.縫合糸,器械の類も,かの当時には考えられなかったものとなっている.われわれにとって重要なことは,それらを患者さんのために使いこなすことである.本特集からそれぞれの特徴を熟知していただきたい.
本特集では,再建法の極意が見事に示されている.確かに,Billroth-I法の本質は変わっていないかもしれないが,かの時代よりは着実に進歩,前進していることが感じられる.Billroth先生の第2,3例目は手術死亡し,成功2例目は実際は4例目だったとのことである.現代においては手術死亡は稀なことであり,縫合不全も数%である.大いなる違いがあると思う.縫合糸,器械の類も,かの当時には考えられなかったものとなっている.われわれにとって重要なことは,それらを患者さんのために使いこなすことである.本特集からそれぞれの特徴を熟知していただきたい.
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