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臨床報告
宿便性潰瘍によるS状結腸穿孔の1例
著者: 尾崎和秀1 濱田円1 寺石文則1 志摩泰生1 西岡豊1 堀見忠司1
所属機関: 1高知医療センター消化器外科
ページ範囲:P.440 - P.443
文献購入ページに移動症例は便秘傾向のある79歳,女性.腹痛を主訴に当院を受診し,精査・加療目的で入院した.翌日,腹痛増強とともに下血があり,緊急内視鏡検査を施行したところ,S状結腸に多量の便塊と深掘の潰瘍を認めた.腹部CTではS状結腸に多量の便塊があり,遊離ガス像と後腹膜気腫を認めたため,S状結腸穿孔による汎発性腹膜炎と診断し緊急手術となった.腹腔内には便汁性腹水があり,S状結腸腸間膜対側に穿孔を認めたためHartmann手術を施行した.標本所見にてS状結腸に約2cmの類円形潰瘍があり,潰瘍底は菲薄化し穿孔していた.臨床所見と病理所見から宿便性潰瘍による穿孔と診断した.術後は順調に経過し,第15病日に退院した.
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