文献詳細
臨床報告
術前CTで診断された急性虫垂炎合併Amyand's herniaの1例
著者: 木村洋平12 前原正典1 藤島由佳1 木村捷一1 山口明夫2
所属機関: 1至捷会木村病院外科 2福井大学附属病院第1外科
ページ範囲:P.567 - P.570
文献概要
症例は48歳,女性.右下腹部痛,嘔吐を主訴に当院を受診した.右下腹部に限局する圧痛を認め,精査のため腹部CTを施行したところ,ヘルニア内容が虫垂である右鼠径ヘルニアを認めた.ヘルニア囊内には膿瘍を認め,同日緊急手術を行った.術中所見では外鼠径ヘルニア内に腫脹した虫垂が嵌頓しており,周囲には膿瘍を認めた.虫垂切除術と鼠径ヘルニア根治術(iliopubic tract repair)を行った.ヘルニア内容が虫垂であるいわゆるAmyand's herniaは比較的稀な状態であり,術前に診断された報告は少ない.今回われわれは,術前に診断しえた急性虫垂炎を合併したAmyand's herniaの1例を経験したので報告する.
参考文献
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