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臨床報告
S-1/シスプラチン療法で組織学的complete responseとなった胃癌術後肝転移の1例
著者: 丸森健司1 岡﨑雅也1 今村史人1 間瀬憲多朗1 堀口尚2 津嶋秀史3 村上雅彦4
所属機関: 1日立製作所ひたちなか総合病院外科 2日立製作所ひたちなか総合病院病理 3日下部病院外科 4昭和大学医学部消化器・一般外科
ページ範囲:P.575 - P.578
文献購入ページに移動症例は55歳,男性.胃噴門部付近のU領域の全周性3型胃癌に対し胃全摘術(D2+#16a1),脾摘術を施行した(fStage Ⅲa).術後ドキシフルリジンを投与していたが,1年後の腹部CTで肝左葉外側区域に約4cm大の転移巣を認め,S-1/シスプラチン療法を開始した.肝転移巣は著明な縮小傾向を示し,4クール終了したところで画像上転移巣はほとんど消失し,partial response(PR)と診断された.PET,CTなどで腹膜,肺,リンパ節など他部位への転移がないことを確認した後,肝外側区域切除を施行した.病理組織学的検査で切除肝に癌細胞は認められず,組織学的効果判定Grade 3と診断された.今回われわれは,胃癌術後肝転移に対し化学療法後に組織学的complete response(CR)が得られた1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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