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臨床報告
術前診断が可能であった,腸回転異常症に合併した急性虫垂炎の1例
著者: 安藤拓也1 小林正学2 榊原堅式3 中前勝視3 杉浦博士3 榊原一貴3
所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科学 2セレンクリニック名古屋 3名古屋市立西部医療センター外科
ページ範囲:P.706 - P.710
文献購入ページに移動成人での腸回転異常症は通常は無症状であり,ほかの消化管疾患の精査や開腹時に偶然発見されることが多い.今回われわれは,術前に診断できた腸回転異常症に伴う急性虫垂炎の1例を経験した.患者は36歳,男性.上腹部痛と発熱で当院を受診した.腹部CT検査で盲腸部は脾彎曲部に存在し,その尾側に膿瘍を認めた.SMAとSMVが左右逆に位置するSMV rotation signを認め,腸回転異常症に合併した急性虫垂炎および腹腔内膿瘍と診断して手術を施行した.手術所見では腸回転異常症はmalrotation type,虫垂は根部で穿孔して盲腸部の炎症が高度であり,回盲部切除術を施行した.
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