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文献詳細

雑誌文献

臨床外科67巻6号

2012年06月発行

文献概要

臨床研究

大腸癌術前点墨後に黒染されたリンパ節の臨床的意義の検討

著者: 瀬尾智1 有光竜樹1 濱口雄平1 馬場園豊1 尾池文隆1 光吉明1

所属機関: 1三菱京都病院消化器外科

ページ範囲:P.821 - P.824

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要旨

大腸癌術前点墨後に黒染されたリンパ節の臨床的意義を検討したので報告する.2010年3月~2011年2月の1年間に腹腔鏡補助下大腸切除術を施行した大腸癌22例を対象とした.術前点墨は,手術前日に下部消化管内視鏡検査を行い,墨汁を腫瘍部前壁に0.1mlを注入し終了した.郭清度はD2:5例,D2(prxD3):2例,D3:15例で,術後肉眼的にリンパ節全体が黒染されているものを黒染リンパ節と定義した.郭清された所属リンパ節の総数は517個で,黒染リンパ節は183個であった.組織学的な転移は19個に認めたが黒染リンパ節に転移は認めなかった.リンパ節の術前点墨による染色は,術中のリンパ節転移診断の一助になると思われた.

参考文献

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2)光谷俊幸,岸本浩次,北村隆司,他:リンパ節の解剖とリンパ節疾患の病理.臨床画像 22:10-27,2006
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4)Ponsky JL, King JF:Endoscopic markingof colonic lesions. Gastrointest Endosc 22:42-47, 1975
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8)田嶋勇介,山崎公靖,加藤正典,他:色素法とRI法の比較.外科 70:375-381,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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