文献詳細
臨床報告
初回手術後24年経過して肝切除を施行した顎下腺原発腺様囊胞癌肝転移の1例
著者: 大山健一1 飯島信1 武田雄一郎1 小松正代2 新田浩幸3 若林剛3
所属機関: 1秋田県厚生連山本組合総合病院外科 2秋田県厚生連山本組合総合病院病理 3岩手医科大学外科学講座
ページ範囲:P.829 - P.832
文献概要
症例は59歳,女性.1985年,右顎下腺原発腺様囊胞癌の診断で手術が施行され,その後1995年に左腎臓腫瘍にて左腎摘出術,2003年に胸壁腫瘍にて胸骨肋骨部分切除術が施行された.それぞれ腺様囊胞癌の転移と診断されていた.2007年10月の腹部CT検査で肝S6に腫瘍を認め転移を疑ったが,4度目の手術であるため手術を拒否し経過観察されていた.その後2009年6月に施行した腹部CT検査で増大傾向を認めたため手術に同意し,2009年8月に肝右葉切除術を施行,病理検査で腺様囊胞癌肝転移と診断された.唾液腺原発腺様囊胞癌の肝転移は稀であり,さらに本症例のように初回術後長期経過し肝切除を施行した症例はきわめて稀と考えられたので,文献的考察を加え報告する.
参考文献
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