文献詳細
書評
出月康夫,古瀬 彰,杉町圭蔵(編)「NEW外科学(改訂第3版)」 フリーアクセス
著者: 上本伸二1
所属機関: 1京都大学医学研究科肝胆膵・移植外科学
ページ範囲:P.1214 - P.1214
文献概要
外科学教科書を評価する場合に,私はまず総論の内容に目を通す.本書においては,総論は全体の3分の1を占める充実したものとなっている.しかし,外科学教科書における総論には,現場の外科医療に役立つようにコンパクトにまとまっていることと同時に,基礎医学のおさらいをかねて理解を助ける工夫の2点が必要である.もちろん,外科医に限らず一般の臨床医が常に理解しておく必要がある範囲を超えての学問の広がりは,各医学領域の専門書に委ねるべきであり,このあたりのバランスが教科書には必要となる.今回の第3版では,「免疫」,「腫瘍」,「臓器移植」,「人工臓器とME」に多くの紙面が割かれている.最近の医療の進歩に対応する改訂であり,このくらいの知識の増加は,今後の外科医療の発展についていくためにも一般の外科医にも必要とされるものである.
掲載誌情報