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特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識 Ⅱ.胃・十二指腸
胃癌―幽門側胃切除術
著者: 藤原道隆13 三澤一成2 田中千恵3 小林大介3 小寺泰弘3
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科クリニカルシミュレーションセンター 2愛知県がんセンター中央病院消化器外科 3名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
ページ範囲:P.60 - P.67
文献購入ページに移動癌の手術において術前に重要となる画像情報は,従来,腫瘍の進展,他臓器浸潤,遠隔転移などのstaging,切除可能性の診断と,肝などの実質臓器においては臓器内脈管系の情報であった.腸管の手術においては,脈管系ナビゲーションの重要度は実質臓器ほどではなかったが,腹腔鏡下手術導入期には,動脈の拍動など触覚の欠如を補うものとして,血管系の画像情報支援が期待された.しかし,今世紀に入って特にハイビジョン・スコープを使用した腹腔鏡下手術の発展(いわば「腹腔鏡下手術時代」)に伴い,手術中の画像から得られる情報が飛躍的に増大し,細かな血管走行や筋膜の構造が手術中によくわかるようになり,外科解剖について多くの新たな知見が生まれた.
本稿では,切除可能性の診断に関してはすでに多くの成書もあるので割愛し,血管走行に関して術前画像検査で何をおさえておくべきかと,術中判断すべき解剖バリエーションを中心に解説したい.
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