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文献詳細

雑誌文献

臨床外科68巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識 Ⅱ.胃・十二指腸

胃癌―幽門側胃切除術

著者: 藤原道隆13 三澤一成2 田中千恵3 小林大介3 小寺泰弘3

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科クリニカルシミュレーションセンター 2愛知県がんセンター中央病院消化器外科 3名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学

ページ範囲:P.60 - P.67

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はじめに

 癌の手術において術前に重要となる画像情報は,従来,腫瘍の進展,他臓器浸潤,遠隔転移などのstaging,切除可能性の診断と,肝などの実質臓器においては臓器内脈管系の情報であった.腸管の手術においては,脈管系ナビゲーションの重要度は実質臓器ほどではなかったが,腹腔鏡下手術導入期には,動脈の拍動など触覚の欠如を補うものとして,血管系の画像情報支援が期待された.しかし,今世紀に入って特にハイビジョン・スコープを使用した腹腔鏡下手術の発展(いわば「腹腔鏡下手術時代」)に伴い,手術中の画像から得られる情報が飛躍的に増大し,細かな血管走行や筋膜の構造が手術中によくわかるようになり,外科解剖について多くの新たな知見が生まれた.

 本稿では,切除可能性の診断に関してはすでに多くの成書もあるので割愛し,血管走行に関して術前画像検査で何をおさえておくべきかと,術中判断すべき解剖バリエーションを中心に解説したい.

参考文献

1)篠原 尚,春田周宇介,貝田佐知子,他:胃癌根治術における幽門下リンパ節郭清.手術66:687-696,2012
2)三澤一成,伊藤誠二,伊藤友一,他:消化器外科用CADにおける現状と問題点.臨床医の立場から.MED IMAG TECH 27(Suppl):1-2,2009
3)Fujiwara M, Kodera Y, Satake H, et al:Navigation for laparoscopic gastrectomy with 3-dimensional computed tomography(3D-CT). Hepatogastroenterology 55:1201-1205, 2008
4)小寺泰弘,藤原道隆,中尾昭公:食道・胃外科標準手術 幽門側胃切除術.メジカルビュー社,2008, pp 98-115
5)Iino I, Sakaguchi T, Kikuchi H, et al:Usefulness of three-dimensional angiographic analysis of perigastric vessels before laparoscopic gastrectomy. Gastric Cancer, 2012(Epub ahead of print)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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