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特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識 Ⅲ.小腸・虫垂・大腸
結腸進行癌
著者: 奥田準二1 田中慶太朗1 近藤圭策1 山本誠士1 石井正嗣1 濱元宏喜1 二瓶憲1 内山和久1
所属機関: 1大阪医科大学一般・消化器外科
ページ範囲:P.130 - P.135
文献購入ページに移動結腸進行癌の基本的な術前画像検査として,原発巣の性状・程度や部位の確認などに大腸内視鏡検査と注腸検査が,肝臓や肺などへの遠隔転移や腫瘍周囲浸潤・リンパ節腫大の検索にCT検査が挙げられる.さらに,肝転移が疑われれば造影MRIによる精査が有用とされている.また,通常のCT検査で明らかでない肺・リンパ節や腹膜などへの転移の精査としてPET/CT検査が用いられるが,造影剤アレルギーで造影CT検査の行えない患者に対する転移検索としても有用である.
一方で,低侵襲手術として導入された腹腔鏡下手術は,近年,多くの施設で結腸進行癌にも適用されるようになった.ただし,腹腔鏡下手術では触診が行えないなど,開腹手術よりも難易度が高いとされており,結腸進行癌に適用する際には安全で的確なリンパ節郭清・腫瘍支配血管処理,十分なsurgical marginの確保など根治性を損なわない手技が必須となる.
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