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文献詳細

雑誌文献

臨床外科68巻11号

2013年10月発行

特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識

Ⅳ.肝・胆・膵

先天性胆道拡張症

著者: 安藤久實1

所属機関: 1愛知県心身障害者コロニー

ページ範囲:P.178 - P.183

文献概要

はじめに

 先天性胆道拡張症(以下,本症)に対しては,拡張胆管切除・肝管空腸吻合術が基本術式であるが,この手術を施行するに当たっては以下の点を知っておく必要がある.第一に,膵内胆管を残存させると残存した膵内胆管に結石が形成されたり癌が生じることが少なくないため,膵管との合流部近くまで確実に切除する必要があること.第二に,肝管には狭窄が存在することが多いので,これを術前に把握して手術時に対処しないと術後に肝内結石を生じる確率が高いこと.第三に,本症では血管の走行異常,とりわけ右肝動脈の走行異常が少なくないので,これを損傷しないよう十分な留意が必要であること.すなわち,本症に対する手術は膵液と胆汁の流出路を分離すればよい,というようなものではないことを十分認識し,術後長期の合併症を防ぐためには上記の点を術前に理解・診断しておくことが重要である.

参考文献

1)Kaneko K, Ando H, Seo T, et al:Proteomic analysis of protein plugs:causative agent of symptoms in patients with choledochal cyst. Digest Dis Sci 52:1979-1986, 2007
2)Ando H, Ito T, Kaneko K, et al:Congenital stenosis of the intrahepatic bile duct associated with choledochal cyst. J Am Coll Surg 181:426-430, 1995
3)Ando H, Ito T, Nagaya M, et al:Pancreaticobiliary maljunction without choledochal cysts in infants and children:clinical features and surgical therapy. J Pediatr Surg 30:1658-1662, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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