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文献詳細

雑誌文献

臨床外科68巻11号

2013年10月発行

文献概要

特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識 Ⅳ.肝・胆・膵

肝細胞癌

著者: 島田和明1 江崎稔1 奈良聡1 岸庸二1 巌康仁1 小菅智男1

所属機関: 1国立がん研究センター中央病院肝胆膵外科

ページ範囲:P.184 - P.191

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術前に必要な基本の画像

 従来より肝細胞癌のルーティンの術前診断として,腹部超音波(US),dynamic CT, MRI,血管造影CTを行ってきた.現在,標準的にはUS,MDCTによる質的診断および進展度診断を行い,鑑別診断が困難な場合や肝内転移巣の診断に難渋する場合には,肝細胞特異性造影剤であるGD-EOB-DTPA(ガドキセト酸ナトリウム)を用いたMRI,あるいは血管造影CT(CTAP/CTHA)による診断を追加する1)(図1).

 多くの症例ではdynamic CTにより肝細胞癌の診断は可能である.典型的な肝細胞癌は動脈相で濃染し,門脈~平衡相では周囲の肝実質より低濃度となる.CT・MRIで内部モザイク構造,被膜,動脈相の早期濃染,平衡相の洗い出しが認められれば確定診断してよい.dynamic CTによる基本的な肝細胞癌の画像を示した(図2).肝細胞癌でも非定型画像を示す場合もある.実際に慢性肝炎,肝硬変肝を背景に充実腫瘍が認められれば,まずは肝細胞癌を疑うことが肝要である.

参考文献

1)日本肝臓学会:科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン2009年版.金原出版,2009
2)Nara S, Shimada K, Sakamoto Y, et al:Prognostic impact of marginal resection for patients with solitary hepatocellular carcinoma:evidence from 570 hepatectomies. Surgery 151:526-536, 2012
3)Kokudo N, Bandai Y, Imanishi H, et al:Management of new hepatic nodules detected by intraoperative ultrasonography during hepatic resection for hepatocellular carcinoma. Surgery 119:634-640, 1996
4)Makuuchi M:Ultrasonic anatomy of the liver. Abdominal intraoperative ultrasonography. Igaku-Shoin, 1987
5)Takayama T, Makuuchi M, Kubota K, et al:Randomized comparison of ultrasonic vs clamp transection of the lover. Arch Surg 136:922-928, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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