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特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識 Ⅳ.肝・胆・膵
肝細胞癌
著者: 島田和明1 江崎稔1 奈良聡1 岸庸二1 巌康仁1 小菅智男1
所属機関: 1国立がん研究センター中央病院肝胆膵外科
ページ範囲:P.184 - P.191
文献購入ページに移動従来より肝細胞癌のルーティンの術前診断として,腹部超音波(US),dynamic CT, MRI,血管造影CTを行ってきた.現在,標準的にはUS,MDCTによる質的診断および進展度診断を行い,鑑別診断が困難な場合や肝内転移巣の診断に難渋する場合には,肝細胞特異性造影剤であるGD-EOB-DTPA(ガドキセト酸ナトリウム)を用いたMRI,あるいは血管造影CT(CTAP/CTHA)による診断を追加する1)(図1).
多くの症例ではdynamic CTにより肝細胞癌の診断は可能である.典型的な肝細胞癌は動脈相で濃染し,門脈~平衡相では周囲の肝実質より低濃度となる.CT・MRIで内部モザイク構造,被膜,動脈相の早期濃染,平衡相の洗い出しが認められれば確定診断してよい.dynamic CTによる基本的な肝細胞癌の画像を示した(図2).肝細胞癌でも非定型画像を示す場合もある.実際に慢性肝炎,肝硬変肝を背景に充実腫瘍が認められれば,まずは肝細胞癌を疑うことが肝要である.
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