文献詳細
特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識
Ⅵ.乳腺
文献概要
術前に必要な基本画像
乳癌診療では,マンモグラフィ,超音波診断,MRIなどの異なるモダリティを組み合わせて診断を進めていくことが重要である.一般的にマンモグラフィ・超音波は,検診,病変の質的診断,生検の適応判断,経過観察などにおいて大きな役割を果たし,MRIは術前の広がり診断として有用性が確立している.
StageⅠ,Ⅱの浸潤癌において乳房温存療法と乳房切除術とでは生存率に差がないことが大規模臨床試験で証明され,日本でも2003年以降は乳房温存療法と乳房切除術の割合が逆転し,2006年には約60%が乳房温存療法となった1).しかし,切除範囲の縮小は局所再発の増加につながる可能性があるため,手術適応・切除範囲の決定には画像による乳管内進展の術前診断が重要である(図1).
乳癌診療では,マンモグラフィ,超音波診断,MRIなどの異なるモダリティを組み合わせて診断を進めていくことが重要である.一般的にマンモグラフィ・超音波は,検診,病変の質的診断,生検の適応判断,経過観察などにおいて大きな役割を果たし,MRIは術前の広がり診断として有用性が確立している.
StageⅠ,Ⅱの浸潤癌において乳房温存療法と乳房切除術とでは生存率に差がないことが大規模臨床試験で証明され,日本でも2003年以降は乳房温存療法と乳房切除術の割合が逆転し,2006年には約60%が乳房温存療法となった1).しかし,切除範囲の縮小は局所再発の増加につながる可能性があるため,手術適応・切除範囲の決定には画像による乳管内進展の術前診断が重要である(図1).
参考文献
1)Sonoo H, Noguchi S:Results of questionnaire survey on breast cancer surgery in Japan 2004-2006. Breast Cancer 15:3-4, 2008
2)厚生労働科学研究費補助金「がん臨床研究事業」標準的な乳房温存療法の実施要項の研究班:乳房温存療法ガイドライン医療者向け―「標準的な乳房温存療法の実施要項の研究」班に基づく治療指針.金原出版,2005
3)日本乳癌学会(編):乳癌診療ガイドライン 2.疫学・診断編,2013年版(第2版),2013
4)Vaidya JS, Vyas JJ, Chinoy RF, et al:Multicentricity of breast cancer:whole-organ analysis and clinical implications. Br J Cancer 74:820-824, 1996
5)Nakano S, Yoshida M, Fujii K, et al:Fusion of MRI and Sonography Image for Breast Cancer Evaluation Using Real-time Virtual Sonography with Magnetic Navigation:First Experience. Jpn J Clin Oncol 39:552-559, 2009
掲載誌情報