文献詳細
臨床報告
乳癌との鑑別診断に難渋し,針生検所見を含めてlymphocytic mastopathyと診断した2例
著者: 手塚健志1 松村晃秀1 清水重喜2 北市正則2
所属機関: 1国立病院機構近畿中央胸部疾患センター外科 2国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床検査科
ページ範囲:P.215 - P.218
文献概要
症例は86歳と75歳の女性で,主訴はともに乳房腫瘤.理学所見上,乳癌との鑑別が困難であったが,どちらも針生検にてlymphocytic mastopathy (LM)と診断,その後外来経過観察をしているが特に腫瘤の変化は認められていない.今回われわれは,短期間に同疾患を2例経験し,実地臨床では比較的遭遇することが多い疾患と考えた.乳癌のような触診所見を呈し,エコーでは内部エコーが豹紋状であり,マンモグラフィではカテゴリー3の局所的非対称性陰影程度ならば,LMを念頭に置いてcore needle biopsy以上の過剰な検査を慎むべきと考えた.
参考文献
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