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臨床報告
骨盤内巨大腹腔内遊離体の1例
著者: 竹原裕子12 青木秀樹2 竹原清人12 清田正之2 田中屋宏爾2 竹内仁司2
所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学 2国立病院機構岩国医療センター外科
ページ範囲:P.349 - P.352
文献購入ページに移動患者は72歳,男性で,以前からCTで骨盤内腫瘤を指摘されていた.便通異常および夜間頻尿を自覚し,近医を受診したところ,腹部CTで直腸膀胱窩に石灰化を伴う腫瘤を認めた.増大傾向を認めたため,精査目的で当院を紹介された.下部消化管内視鏡では腸管内に異常はなく,MRIで腹腔内遊離体を疑い,骨盤内腫瘤摘出術を施行した.摘出した腫瘤は68×55×40mm大で,術後病理検査で腹腔内遊離体と診断された.術後に便通異常の改善を認めた.腹腔内遊離体は腹膜鼠や腹膜石とも呼ばれ,開腹手術の際に腹腔内の遊離物質として認められることがあり,症状を有する場合や腫瘍との鑑別が困難な場合には手術適応を検討する必要がある.
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