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文献詳細

雑誌文献

臨床外科68巻5号

2013年05月発行

臨床研究

外科医が「自分の力を発揮できていない」と考える要因―大分県の外科医へのアンケート調査結果から

著者: 矢田一宏1 上田貴威2 野口剛2 白石憲男2 内田雄三3 北野正剛4

所属機関: 1大分大学医学部第1外科 2大分大学医学部附属地域医療学センター外科分野 3大分県外科医会 4大分大学

ページ範囲:P.595 - P.599

文献概要

要旨

【目的】若い世代に外科医が敬遠される昨今,外科医自身が感じる「やりがい」に関する因子を明らかにする.【対象と方法】外科医の「自分の力が発揮できていない要因」について大分県内の外科医211名へのアンケートを行い解析した.【結果】単変量解析で週間手術数が5件未満,週間執刀数が3件未満,週間手術時間が5時間未満の場合,自分の力が「発揮できていない」要因として有意差を認めた.これらは多変量解析でも同様であった.入院・外来患者数や勤務時間,当直回数の多さに有意な差はみられなかった.【結語】外科医は手術数や執刀数に対してやりがいを感じており,これらが満足のいくものであれば,その業務の多忙さは必ずしも重要ではないといえる.

参考文献

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2)保谷芳行,岡本友好,矢永勝彦:Stop the「外科医不足」シリーズ3:今すぐできること,やるべきこと.医師偏在の是正.日外会誌109:115-116, 2008
3)矢田一宏,阿部 航,加島 尋,他:高大連携「ふるさと医療人材育成事業:地域医療を理解するセミナー」の経験とその評価.医教育42:233-238, 2011
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5)宮本敦史,永野浩昭,土岐祐一郎,他:日本外科学会 会員アンケート調査.日外会誌109:173-179, 2008
6)遠藤久夫:外科医はどれだけ働いているのか―卒後年数と所属施設タイプを考慮したタイムスタディ分析.日外会誌111:258-267, 2010
7)西田 博,里見 進,遠藤久夫,他:外科医療におけるコメディカル診療参加の意義に関する考察―日本外科学会外科医週間タイムスタディによる外科医業務解析結果から.日外会誌111:251-257, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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