icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科68巻9号

2013年09月発行

文献概要

胃癌手術のロジック―発生・解剖・そして郭清≪番外編≫

Letter to Authors―「背側膵と腹側膵の膵頭部における占拠部位について」

著者: 阪本良弘12 大山繁和3 篠原尚4

所属機関: 1東京大学医学部肝胆膵外科 2東京大学医学部人工臓器・移植外科 3金沢医療センター外科 4虎の門病院消化器外科

ページ範囲:P.1068 - P.1070

文献購入ページに移動
 「胃癌手術のロジック」第5回(68巻3号,314~323頁)“膵の形成と固定”について,膵頭部の発生学的な構造を含めた解剖の図解を興味深く拝読しました.本稿は膵頭部内の解剖や胃癌手術の理解に非常に助けになると思います.さて,本稿では一貫して膵頭下部や膵鉤部が腹側膵原基由来として描かれていますが,実際は背側膵原基由来の場合が多いと考えられます.

 膵頭部の前面や膵鉤部にはSantorini管の枝が多く分布し,背側膵原基由来であることがTakahashiら1)の剖検例15例を用いた研究で示されています.Santorini管とWirsung管の癒合点はTakahashiらが2つに分類していますが,どちらの場合でも膵頭下部や膵鉤部にはSantorini管の下行枝が分布しています.

参考文献

1)Takahashi S, Akita K, Goseki N, et al:Spacial arrangement of the pancreatic ducts in the head of the pancreas with special reference to the branches of the uncinate process. Surgery 125:178-185, 1999
2)Sakamoto Y, Nagai M, Tanaka N, et al:Anatomical segmentectomy of the head of the pancreas along the embryological fusion plane:a feasible procedure? Surgery 128:822-831, 2000
3)Sakamoto Y, Tanaka N, Nagai M, et al:Anterior segmentectomy of the pancreatic head for islet cell tumors. Pancreas 24:317-319, 2002
4)Suda K, Mizuguchi K, Hoshino A:Differences of the ventral and dorsal anlagen of pancreas after fusion. Acta Pathol Jpn 31:583-589, 1981

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?