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臨床報告
乳癌と間違われやすい画像所見を呈した乳腺腺筋上皮腫の1例
著者: 吉村紀子1 春田るみ1 河島茉澄1 山口恵美1 高橋元1 米原修治2
所属機関: 1JA尾道総合病院外科 2JA尾道総合病院病理研究検査科
ページ範囲:P.1099 - P.1102
文献購入ページに移動症例は右乳房腫瘤が主訴の70歳,女性.マンモグラフィで右乳房CD領域に3.0×3.2cmの辺縁,境界ともに一部不明瞭な高濃度腫瘤を認め,超音波検査で多房性の囊胞形成を伴う充実性腫瘤があり,前方境界線が断裂し,後方エコーはやや減弱していた.造影MRIでの腫瘤の造影パターンは早期濃染~wash outであったため悪性が示唆され,PET-CTで腫瘤のSUVmaxは高値を示した.針生検において乳腺腺筋上皮腫(AME)と診断され,悪性を示唆する所見を認めなかった.AMEは,筋上皮細胞と腺上皮細胞がともに増殖を示す稀な乳腺腫瘍である.その画像所見は悪性を示唆されやすく,術前に乳癌を疑われやすい.AMEは一般的に良性腫瘍であるが,きわめて稀に悪性の症例も知られており,過剰あるいは過少診断しないよう注意が必要である.
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