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臨床報告
ENBD catheterを用いた内視鏡的ドレナージが奏効した十二指腸傍乳頭憩室後腹膜穿孔の1例
著者: 橋本恭弘1 佐藤雅之1 吉岡晋吾1 冨田昌良1
所属機関: 1糸島医師会病院外科
ページ範囲:P.112 - P.116
文献購入ページに移動患者は36歳,女性.激しい上腹部痛を主訴に当院を受診した.理学的所見では右季肋部に腹膜刺激症状を伴う圧痛を,血液検査では高度炎症反応を認めた.CT検査および側視型内視鏡による造影検査にて,十二指腸傍乳頭憩室後腹膜穿孔・後腹膜膿瘍と診断した.膿瘍が限局性であることから,抗菌薬による保存的治療を施行した.しかし,改善傾向が乏しいため,内視鏡的に憩室内穿孔部を経由して膿瘍腔内に6Fr ENBD catheterをドレナージチューブとして留置し,排膿治療を行い治癒しえた.十二指腸傍乳頭憩室穿孔により形成された膿瘍腔は,経皮的ドレナージでは部位的に困難であり,開腹ドレナージ術などの観血的治療を行う報告が散見される.また,しばしば高侵襲手術を要することもある.しかし,本治療手技は比較的低侵襲な非観血的治療法であり,今後本疾患に対する治療法の1つとして検討する価値があると考えられた.
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