文献詳細
増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅲ 術式別の術前・術中・術後管理 5.胆道・胆囊
文献概要
最近の知見と重要ポイント
□教室の治療方針では術前診断T3以上の深達度(肝床浸潤,肝十二指腸間膜浸潤,他臓器浸潤)をもつ症例に対しては積極的に術前化学療法を行っている.
□術前化学療法の期間は3か月であり,術前化学療法時には少なからず経口摂取不良となるため栄養サポートとしてn-3系脂肪酸を含む経口半消化態栄養剤を1日400 mL摂取してもらっている.
□術前化学療法の期間中は閉塞性黄疸を認める症例では胆道ドレナージチューブが必須である.胆管炎の発生ではENBDチューブに劣るものの,胆汁酸循環,術前のADL低下を予防する目的としてERBDチューブを用いた内瘻化を基本としている.
□ERBD閉塞による胆管炎発生は術前化学療法の施行率を下げる原因となるので,日頃より消化器内科と十分にコミュニケーションをとり,胆道系酵素などの上昇から胆道炎発生が予想される場合にはチューブ交換を迅速に行っている.
□教室の治療方針では術前診断T3以上の深達度(肝床浸潤,肝十二指腸間膜浸潤,他臓器浸潤)をもつ症例に対しては積極的に術前化学療法を行っている.
□術前化学療法の期間は3か月であり,術前化学療法時には少なからず経口摂取不良となるため栄養サポートとしてn-3系脂肪酸を含む経口半消化態栄養剤を1日400 mL摂取してもらっている.
□術前化学療法の期間中は閉塞性黄疸を認める症例では胆道ドレナージチューブが必須である.胆管炎の発生ではENBDチューブに劣るものの,胆汁酸循環,術前のADL低下を予防する目的としてERBDチューブを用いた内瘻化を基本としている.
□ERBD閉塞による胆管炎発生は術前化学療法の施行率を下げる原因となるので,日頃より消化器内科と十分にコミュニケーションをとり,胆道系酵素などの上昇から胆道炎発生が予想される場合にはチューブ交換を迅速に行っている.
参考文献
1)Endo I, Matsuyama R, Mori R, et al:Imaging and surgical planning for perihilar cholangiocarcinoma. J Hepatobiliary Pancreat Sci, 2014 [doi:10.1002/jhbp. 75]
2)脇谷勇夫,山本 博,松枝和宏,他:Antithrombin-Ⅲ製剤投与と静脈瘤への硬化療法が有効であった門脈血栓症を合併した静脈瘤出血の2例.日消誌90:1437-1444, 1993
3)勝山善彦,大森 栄:臓器移植に伴う合併症;その予防と治療.月刊薬事43:51-56, 2001
4)Finfer S, Chittock DR, Su SY, et al:Intensive versus conventional glucose control in critically ill patients. N Engl J Med 360:1283-1297, 2009
5)Tanaka K, Kumamoto T, Nojiri K, et al:The effectiveness and appropriate management of abdominal drains in patients undergoing elective liver resection:a retrospective analysis and prospective case series. Surg Today 43:372-380, 2013
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