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文献詳細

雑誌文献

臨床外科69巻11号

2014年10月発行

文献概要

増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル Ⅳ 術中・術後合併症とその管理 3.呼吸器系

肺血栓塞栓症

著者: 石田敬一1 松宮護郎1

所属機関: 1千葉大学医学部心臓血管外科

ページ範囲:P.277 - P.281

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最近の知見と重要ポイント

□急性肺血栓塞栓症は,術後合併症として頻度は低いものの重症例(心肺停止例)では死亡率が50%以上と高く,初期の診断,適切な治療が重要である.

□造影CT検査,心臓超音波検査により重症度を分類し治療を選択する.

□合成Ⅹa阻害薬フォンダパリヌクス(アリクストラ®)はモニタリングによる容量調節の必要がない抗凝固薬であり,ヘパリンの代わりとして使用される.

□経口新規抗凝固薬(NOAC)の急性肺塞栓症や深部静脈血栓症に対する有効性が報告されており,今後これらの薬剤の導入により確実な効果とともに管理が容易となり,入院期間短縮や出血性合併症の減少につながる可能性がある.

参考文献

1)Torbicki A1, Perrier A, Konstantinides S, et al:Guidelines on the diagnosis and management of acute pulmonary embolism:the Task Force for the Diagnosis and Management of Acute Pulmonary Embolism of the European Society of Cardiology (ESC). Eur Heart J 29:2276-2315, 2008
2)日本循環器学会学術委員会合同研究班:肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
3)Jaff MR, McMurtry MS, Archer SL, et al:Management of massive and submassive pulmonary embolism, iliofemoral deep vein thrombosis, and chronic thromboembolic pulmonary hypertension:a scientific statement from the American Heart Association. Circulation 123:1788-1830, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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