文献詳細
増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅳ 術中・術後合併症とその管理 4.精神・神経系
文献概要
最近の知見と重要ポイント
□術後の合併症として,手術操作による嚥下関与筋や神経のダメージだけでなく,長期禁食,長期気管挿管,高侵襲手術後の全身状態の悪化などが要因となり,嚥下障害を生じることがある.
□頭頸部腫瘍術後のみならず,胸部外科や腹部外科後にも嚥下障害は生じうる.
□術前からすでに嚥下障害のある患者が,全身麻酔下に手術を受けることで,嚥下障害がより高度になる可能性がある.
□高齢者は潜在的な嚥下機能低下があり,これに侵襲性の高い手術を実施することで,嚥下障害が顕在化することがある.
□一般人口に占める高齢者の割合が増加して超高齢社会を迎え,より高齢で併存症の多い患者への手術件数が増えていくことで,術後の嚥下障害は今後増加していくと予想される.
□特に高齢者においては,術後の嚥下機能低下の可能性を念頭に置いて経口摂取開始時には細心の注意を払うとともに,周術期の口腔ケアや早期嚥下リハビリテーションの介入を考慮したい.
□術後の合併症として,手術操作による嚥下関与筋や神経のダメージだけでなく,長期禁食,長期気管挿管,高侵襲手術後の全身状態の悪化などが要因となり,嚥下障害を生じることがある.
□頭頸部腫瘍術後のみならず,胸部外科や腹部外科後にも嚥下障害は生じうる.
□術前からすでに嚥下障害のある患者が,全身麻酔下に手術を受けることで,嚥下障害がより高度になる可能性がある.
□高齢者は潜在的な嚥下機能低下があり,これに侵襲性の高い手術を実施することで,嚥下障害が顕在化することがある.
□一般人口に占める高齢者の割合が増加して超高齢社会を迎え,より高齢で併存症の多い患者への手術件数が増えていくことで,術後の嚥下障害は今後増加していくと予想される.
□特に高齢者においては,術後の嚥下機能低下の可能性を念頭に置いて経口摂取開始時には細心の注意を払うとともに,周術期の口腔ケアや早期嚥下リハビリテーションの介入を考慮したい.
参考文献
1)唐帆健浩,佐藤哲也:「嚥下障害」を訴える患者の鑑別診断と実際の診療の進め方.久 育男(編);のどの異常とプライマリケア.中山書店,2013, pp 15-23
2)唐帆健浩,佐藤哲也:嚥下造影検査.JOHNS 28:939-943, 2012
3)唐帆健浩:嚥下障害に対する外科的治療の適応と術式の選択.耳鼻臨床107:500-501,2014
4)中島純子:術後性の嚥下障害に対する摂食機能療法.J Clin Rehabil 20:133-139, 2011
5)Barker J, Martino R, Reichardt B, et al:Incidence and impact of dysphagia in patients receiving prolonged endotracheal intubation after cardiac surgery. Can J Surg 52:119-124, 2009
6)上嶋伸知,坂井謙介,長縄弥生,他:食道癌手術患者に対する専門的口腔ケア施行の効果.日外感染症会誌6:183-188, 2009
7)深田伸二:無症候高齢者の周術期.ICUとCCU 36:515-519, 2012
掲載誌情報