文献詳細
増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅳ 術中・術後合併症とその管理 6.腎・尿路系
文献概要
最近の知見と重要ポイント
□尿道カテーテル留置は,周術期の尿量モニターのため,また脊髄麻酔による術後尿閉(POUR)を避けるために広く行われている低侵襲な医療行為である.
□留置中は患者に苦痛や不快感を生じさせるだけでなく,離床の遅れ,尿路感染併発のリスクとなるため,必要最小限・短期間であることが望ましい.
□POURの診断の遅れは,膀胱の過伸展による収縮障害や,逆流による腎盂腎炎などの有熱性尿路感染の合併,さらには入院期間の延長と関連しうる.
□ERAS時代においてはPOURリスクを有する患者を同定し,膀胱過伸展に至らせないための迅速な診断・対応を行うことが必要である.
□尿道カテーテル留置は,周術期の尿量モニターのため,また脊髄麻酔による術後尿閉(POUR)を避けるために広く行われている低侵襲な医療行為である.
□留置中は患者に苦痛や不快感を生じさせるだけでなく,離床の遅れ,尿路感染併発のリスクとなるため,必要最小限・短期間であることが望ましい.
□POURの診断の遅れは,膀胱の過伸展による収縮障害や,逆流による腎盂腎炎などの有熱性尿路感染の合併,さらには入院期間の延長と関連しうる.
□ERAS時代においてはPOURリスクを有する患者を同定し,膀胱過伸展に至らせないための迅速な診断・対応を行うことが必要である.
参考文献
1)Pavlin DJ, Pavlin EG, Fitzgibbon DR, et al:Management of bladder function after outpatient surgery. Anesthesiology 91:42-50, 1999
2)Lau H, Lam B:Management of postoperative urinary retention:a randomized trial of in-out versus overnight catheterization. ANZ J Surg 74:658-661, 2004
3)Baldini G, Bagry H, Aprikian A, et al:Postoperative urinary retention:anesthetic and perioperative considerations. Anesthesiology 110:1139-1157, 2009
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