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増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル Ⅳ 術中・術後合併症とその管理 7.感染系・その他
各種耐性菌による感染症
著者: 橋本章司1
所属機関: 1大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター感染症内科
ページ範囲:P.330 - P.337
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□院内耐性菌の主役のMRSAでは,感染症発症と重症化の予防,および感染臓器・薬剤感受性と合併病態に基づく適切な抗MRSA薬の選択と効果的な投与が重要である.
□市中の腹腔内感染症の主役の腸内細菌科(大腸菌・肺炎桿菌など)と嫌気性菌(バクテロイデス属など)でも各種β-ラクタマーゼを産生する耐性菌が増加し,スルバクタム/アンピシリン(SBT/ABPC),クリンダマイシン(CLDM)やセフメタゾール(CMZ)を初期治療の第一選択では使いにくくなっている.
□カルバペネマーゼ産生菌が院内の緑膿菌やアシネトバクターから市中の腸内細菌科に拡大し,これら多剤耐性菌の迅速な検出と,伝播・感染症発症の予防が重要である.
□院内耐性菌の主役のMRSAでは,感染症発症と重症化の予防,および感染臓器・薬剤感受性と合併病態に基づく適切な抗MRSA薬の選択と効果的な投与が重要である.
□市中の腹腔内感染症の主役の腸内細菌科(大腸菌・肺炎桿菌など)と嫌気性菌(バクテロイデス属など)でも各種β-ラクタマーゼを産生する耐性菌が増加し,スルバクタム/アンピシリン(SBT/ABPC),クリンダマイシン(CLDM)やセフメタゾール(CMZ)を初期治療の第一選択では使いにくくなっている.
□カルバペネマーゼ産生菌が院内の緑膿菌やアシネトバクターから市中の腸内細菌科に拡大し,これら多剤耐性菌の迅速な検出と,伝播・感染症発症の予防が重要である.
参考文献
1)Solomkin JS, Mazuski JE, Bradley JS, et al:Diagnosis and management of complicated intraabdominal infection in adults and children:guidelines by the Surgical Infection Society and the Infectious Disease Society of America. Clin Infect Dis 50:133-164, 2010
2)橋本章司,山岸由佳,三鴨廣繁:外科感染症における抗菌薬選択と投与方法について.外科治療105:135-141, 2011
3)日本化学療法学会,抗菌化学療法認定医認定制度審議委員会(編):抗菌薬適正使用生涯教育テキスト(改訂版).日本化学療法学会,2013
4)MRSA感染症の治療ガイドライン作成委員会(編):MRSA感染症の治療ガイドライン.日本化学療法学会/日本感染症学会,2013
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