文献詳細
増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅲ 術式別の術前・術中・術後管理 1.食道
文献概要
最近の知見と重要ポイント
□胸部食道癌の手術は,頸部,胸部,腹部と手術操作範囲が広いため,消化器癌手術のなかでも最も侵襲が大きい手術の一つである.呼吸器合併症や嚥下機能の障害を容易にきたしやすく,ひとたび合併症が起きると致命的となることも少なくない.
□ERAS実践に関しては,胸部食道癌手術の場合はバリアンスが多いため必ずしも定型的な管理ができるわけではないが,ERASにもとづく周術期管理がいくつか取り入れられている.たとえば,術前術後に絶食は半ば常識であったが,最近では絶食期間を可能な限り短縮した管理が行われている.また,術前口腔ケア,クリニカルパスの導入,NST(nutrition support team)の介入,術中術後のステロイドの使用が取り入れられ,実臨床に活かされている.
□胸部食道癌の手術は,頸部,胸部,腹部と手術操作範囲が広いため,消化器癌手術のなかでも最も侵襲が大きい手術の一つである.呼吸器合併症や嚥下機能の障害を容易にきたしやすく,ひとたび合併症が起きると致命的となることも少なくない.
□ERAS実践に関しては,胸部食道癌手術の場合はバリアンスが多いため必ずしも定型的な管理ができるわけではないが,ERASにもとづく周術期管理がいくつか取り入れられている.たとえば,術前術後に絶食は半ば常識であったが,最近では絶食期間を可能な限り短縮した管理が行われている.また,術前口腔ケア,クリニカルパスの導入,NST(nutrition support team)の介入,術中術後のステロイドの使用が取り入れられ,実臨床に活かされている.
参考文献
1)Akutsu Y, Matsubara H:Perioperative management for the prevention of postoperative pneumonia with esophageal surgery. Ann Thorac Cardiovasc Surg 15:280-285, 2009
2)Akutsu Y, Matsubara H, Huto K, et al:Pre-operative dental brushing can reduce the risk of postoperative pneumonia in esophageal cancer patients. Surgery 147:497-502, 2010
掲載誌情報