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特集 外科切除適応の境界領域—Borderline resectable cancerへの対応 がん種別の治療指針
胆道癌
著者: 千葉斉一1 島津元秀1 若林大雅1 沖原正章1 高野公徳1 河地茂行1
所属機関: 1東京医科大学八王子医療センター消化器外科・移植外科分野
ページ範囲:P.1357 - P.1363
文献購入ページに移動◆Brderline resectable(BR)とは膵臓癌において近年提唱された概念であり,resectableに比べ予後が不良であり,術前化学療法や術前放射線療法など各種の治療戦略が検討されているのが現状である.胆管癌におけるBRの明確な定義はいまだなされていないが,主要動脈への浸潤,門脈への浸潤,膵浸潤,局所リンパ節転移の有無などがその候補として考えられている.
◆当科の検討からは,胆管癌におけるBR症例の因子としては動脈浸潤,リンパ節転移,胆管の水平方向・垂直方向の浸潤の程度が問題となることが示唆された.BR症例には全34例に術後補助化学療法を施行し,その5年生存率は32.3%とBR以外の症例に比較して2群間に有意差は認めなかった.
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