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特集 ディベート★消化器・一般外科手術―選ぶのはどっちだ! 消化器外科手術 テーマ2◆幽門側胃切除後の再建法
幽門側胃切除後の再建法:「Roux-en-Y法」の立場から
著者: 比企直樹1
所属機関: 1がん研有明病院消化器外科
ページ範囲:P.154 - P.158
文献購入ページに移動 Roux-en-Y法を選択するメリットとして,
①残胃が小さい場合の再建が可能,②吻合部に緊張がかかりにくい,③十二指腸液の逆流が少ない(逆流性食道炎が少ない),④十二指腸付近の局所再発がある場合に影響を受けにくい,⑤残胃癌の手術は比較的容易,といった点が挙げられる.
一方,デメリットとしては,
①吻合箇所が多い,②術後の胆道系疾患(総胆管結石など)や十二指腸腫瘍に対する内視鏡的治療のためのアプローチがしづらい,③食物通過ルートが非生理的(十二指腸を食物が通過しないことから十二指腸関連消化管ホルモンの分泌障害が起こりうる.術後胆石の発症率が高いという報告もある),④術後十二指腸が盲端になるため縫合不全を生じると致命的となりうる,⑤挙上空腸作製のために間隙ができることで内ヘルニア(ピーターセンヘルニアなど)を生じる可能性がある,といった点が挙げられる.
①残胃が小さい場合の再建が可能,②吻合部に緊張がかかりにくい,③十二指腸液の逆流が少ない(逆流性食道炎が少ない),④十二指腸付近の局所再発がある場合に影響を受けにくい,⑤残胃癌の手術は比較的容易,といった点が挙げられる.
一方,デメリットとしては,
①吻合箇所が多い,②術後の胆道系疾患(総胆管結石など)や十二指腸腫瘍に対する内視鏡的治療のためのアプローチがしづらい,③食物通過ルートが非生理的(十二指腸を食物が通過しないことから十二指腸関連消化管ホルモンの分泌障害が起こりうる.術後胆石の発症率が高いという報告もある),④術後十二指腸が盲端になるため縫合不全を生じると致命的となりうる,⑤挙上空腸作製のために間隙ができることで内ヘルニア(ピーターセンヘルニアなど)を生じる可能性がある,といった点が挙げられる.
参考文献
1)Jiang X, Hiki N, Nunobe S, et al:Laparoscopy-assisted subtotal gastrectomy with very small remnant stomach:a novel surgical procedure for selected early gastric cancer in the upper stomach. Gastric Cancer 14:194-199, 2011
2)Hiki N, Fukunaga T, Tokunaga M, et al:An effective duodenum bulb mobilization for extracorporeal Billroth I anastomosis of laparoscopic gastrectomy. J Gastrointest Surg 13:230-235, 2009
3)Kumagai K, Hiki N, Nunobe S, et al:Different features of complications with Billroth-I and Roux-en-Y reconstruction after laparoscopy-assisted distal gastrectomy. J Gastrointest Surg 15:2145-2152, 2011
4)Dindo D, Demartines N, Clavien PA:Classification of surgical complications:a new proposal with evaluation in a cohort of 6336 patients and results of a survey. Ann Surg 240:205-213, 2004
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