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特集 究極の肛門温存術式ISR―長期成績からわかる有用性と問題点
扉
著者: 渡邉聡明1
所属機関: 1東京大学腫瘍外科
ページ範囲:P.267 - P.267
文献購入ページに移動 わが国で“ISR”という術式をよく聞くようになったのは,2000年前後頃だったと思う.本特集のなかでも何度か引用されているISRを最初に報告したとされるSchiesselの論文が発表されたのは1994年であり,最初の報告から数年後に日本でも注目を浴びたということになる.ISRの登場により従来は人工肛門が必要であった症例の一部では肛門温存が可能となった.しかしISRが導入され始めた頃,この新たな術式に関する多くの議論があった.歯状線も含めて広範囲に内括約筋を切除すれば十分な排便機能が期待できないのではないか,あるいは,本来腹会陰式直腸切断術を行うような症例にISRを行えば,根治性が確保できないのではないか,といったISRの術後成績を危惧する意見があった.しかし,当初ISRは専門施設を中心に行われていたが,その後は普及が進み,現在では全国の多くの施設で行われる術式になっている.また,大腸癌に対する腹腔鏡手術が増加してきている現在,直腸癌に対する腹腔鏡手術の再建法としてもISRは重要な手技となっている.
ISRが注目され始めてから10年以上経過した現在,当初危惧されていたISRの術後成績に関する長期成績を評価する時期にきている.そこで,ISRに関する,解剖,アプローチ法など実際の手技,術後の問題などを専門家の先生方に解説していただき,改めてISRを見直すため本特集を企画した.本特集を読まれて多くの外科医がISRの理解を深め,そして治療成績を向上させるために役立つことを期待している.
ISRが注目され始めてから10年以上経過した現在,当初危惧されていたISRの術後成績に関する長期成績を評価する時期にきている.そこで,ISRに関する,解剖,アプローチ法など実際の手技,術後の問題などを専門家の先生方に解説していただき,改めてISRを見直すため本特集を企画した.本特集を読まれて多くの外科医がISRの理解を深め,そして治療成績を向上させるために役立つことを期待している.
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