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文献詳細

雑誌文献

臨床外科69巻3号

2014年03月発行

文献概要

特集 究極の肛門温存術式ISR―長期成績からわかる有用性と問題点

一時的ストーマ造設を伴わないISRのコツと術後成績

著者: 小山基1 村田暁彦1 坂本義之1 諸橋一1 長谷部達也1 斎藤傑1 袴田健一1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座

ページ範囲:P.292 - P.298

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【ポイント】

◆ISRにおける縫合不全の危険因子を考慮して,予防的ストーマ造設の適応となる症例の選択が必要である.

◆肛門吻合部における口側腸管の血流を確保し,吻合部の緊張がない状態で吻合を行うことが肝要である.

◆stay sutureにより吻合部の緊張を緩和させるだけでなく,縫合不全が起こった場合の腸管離断を予防する.

◆可能な限り結腸J-pouchによる再建を行い,吻合部の血流維持に努め,術後早期に起こる排便機能障害の軽減を図る.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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