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文献詳細

雑誌文献

臨床外科69巻3号

2014年03月発行

文献概要

臨床報告

シートベルト外傷による外傷性気胸,CO2ナルコーシスに合併した胃粘膜損傷の1例

著者: 矢島澄鎮1 甲賀淳史1 奥村拓也1 山下公裕1 鈴木憲次1 川辺昭浩1

所属機関: 1富士宮市立病院外科

ページ範囲:P.357 - P.360

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要旨

今回われわれは,受傷2日後にシートベルトによる胸部外傷,意識障害に併発した外傷性胃粘膜損傷の1例を経験した.症例は78歳,男性で,交通外傷で近医を受診し右鎖骨骨折,右第5中指骨骨折と診断された.翌日の再診時も問題なく,その翌日に当院整形外科を紹介受診の予定となっていたが,受診当日の朝,自宅で突然意識消失し救急車にて当院へ搬送された.外傷性気胸,CO2ナルコーシスと診断され外科へ紹介となり,胸腔ドレナージ,人工呼吸器管理とした.胃内容物減圧目的にNGチューブを挿入したところ血性排液がみられ,緊急内視鏡を行い胃粘膜損傷と診断された.外傷性胃損傷は稀ではあるが,多発外傷においては様々な可能性を念頭に置いて対応することが肝要である.

参考文献

1)隅田英典,丹羽篤朗,大野宣考,他:腹部鈍的外傷による胃破裂の1例.日腹部救急医会誌15:1285-1288,1995
2)加来信雄:腹部外傷の実際.第1版.医学書院,1985,pp 185-188
3)佐藤 裕,佐藤清治,広橋喜美,他:シートベルト着用による鈍的腸管,腸管膜損傷の治療経験:シートベルト外傷の6例.日臨外会誌50:577-584,1989
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5)Yajko RD, Seydel F, Trinble C:Rupture of the stomach from blunt abdominal trauma. J Trauma 15:177-183, 1975
6)秋山裕人,新見紀二,堀沢 稔,他:シートベルト損傷による外傷性胃破裂の1例.外科診療34:1625-1628,1992
7)日本外傷学会:消化管損傷分類2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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