文献詳細
文献概要
臨床報告
シートベルト外傷による外傷性気胸,CO2ナルコーシスに合併した胃粘膜損傷の1例
著者: 矢島澄鎮1 甲賀淳史1 奥村拓也1 山下公裕1 鈴木憲次1 川辺昭浩1
所属機関: 1富士宮市立病院外科
ページ範囲:P.357 - P.360
文献購入ページに移動今回われわれは,受傷2日後にシートベルトによる胸部外傷,意識障害に併発した外傷性胃粘膜損傷の1例を経験した.症例は78歳,男性で,交通外傷で近医を受診し右鎖骨骨折,右第5中指骨骨折と診断された.翌日の再診時も問題なく,その翌日に当院整形外科を紹介受診の予定となっていたが,受診当日の朝,自宅で突然意識消失し救急車にて当院へ搬送された.外傷性気胸,CO2ナルコーシスと診断され外科へ紹介となり,胸腔ドレナージ,人工呼吸器管理とした.胃内容物減圧目的にNGチューブを挿入したところ血性排液がみられ,緊急内視鏡を行い胃粘膜損傷と診断された.外傷性胃損傷は稀ではあるが,多発外傷においては様々な可能性を念頭に置いて対応することが肝要である.
参考文献
掲載誌情報