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臨床報告
腸重積症を発症した回腸inflammatory fibroid polypの1例
著者: 奥村晋也1 内藤雅人1 浅生義人1 吉村玄浩1 本庄原2
所属機関: 1天理よろづ相談所病院 腹部一般外科 2天理よろづ相談所病院 医学研究所病理
ページ範囲:P.611 - P.615
文献購入ページに移動症例は32歳,女性で,3か月前から腹痛,下痢を繰り返していた.腹痛,嘔吐を主訴に来院した.右下腹部に腫瘤を触知し,著明な圧痛を認めた.腹部造影CTで回腸腸重積症と診断し,重積腸管の血流障害が示唆されたため,同日緊急手術を施行した.手術所見では回腸末端部より90 cm口側の回腸に40 mm大の有茎性腫瘤を認め,同部が先進部となり腸重積症をきたしていた.腸重積の整復は困難で,腫瘤を含めた回盲部切除を施行した.病理組織学的検査で腫瘤は回腸inflammatory fibroid polyp(IFP)と診断された.小腸のIFPは比較的稀な疾患であるが,腸重積症の原因疾患として考慮する必要がある.
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