文献詳細
臨床報告
乳腺matrix-producing carcinomaの1例
著者: 森崎珠実1 高島勉1 川尻成美1 小野田尚佳1 平川弘聖1 若狭研一2
所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科腫瘍外科学講座 2大阪市立大学大学院医学研究科診断病理学
ページ範囲:P.747 - P.750
文献概要
症例は57歳,女性.主訴は右乳腺腫瘤.右BE領域に小豆大の硬い腫瘤を触知した.乳房撮影ではMLOで右Lに微細分葉状の等濃度腫瘤影,超音波検査では右BE領域に13 mm大の辺縁粗雑な腫瘤を認めた.腋窩リンパ節腫大や遠隔転移を認めず,針生検で浸潤性乳管癌と診断された.右乳癌(T1cN0M0 StageⅠ)と診断し乳房切除術,センチネルリンパ節生検を施行した.切除標本の病理所見はMatrix-producing carcinomaであった.術後タモキシフェン20 mg/日を投与し,術後5年の現在,再発を認めていない.本症例のような新たな分類の稀少特殊型では治療に資する情報が少なく,大規模な症例集積が望まれる.
参考文献
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