文献詳細
書評
坂井建雄,河田光博(監訳)―プロメテウス解剖学アトラス 頭頸部/神経解剖―第2版 フリーアクセス
著者: 近藤信太郎1
所属機関: 1日大歯・解剖学
ページ範囲:P.811 - P.811
文献概要
本書の特徴はアトラスと教科書の利点を兼ね備えたところといえよう.書名は解剖学アトラスとなっているが,通常のアトラスよりも記載に力を入れている.精緻な図と明解な文章は相補的に機能しており,人体構造を深く理解することができるように工夫されている.SobottaやPernkopfのような精密な解剖図を世に送り出してきたのはドイツの伝統であろう.その伝統にコンピュータ技術を融合させて完成された本書の図は精細で美しい.図の脇にある説明文は短い中にも関連する図を示し,その図を順に追うことにより理解が一層深まるように構成されている.頭頸部に関しては,骨,筋,脈管,内臓といった系統解剖の後に,局所解剖と断面図が掲載されている.各器官系の系統的な理解と局所の器官系の関係を同時に記載している点は本書の魅力といえよう.
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