文献詳細
文献概要
臨床研究
痔核注射治療(ALTA)後の肛門痛に関する検討
著者: 矢野孝明1
所属機関: 1ヤノ肛門外科クリニック
ページ範囲:P.1000 - P.1002
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[目的]主な痔核治療の1つである注射治療(ALTA治療)の合併症として肛門痛がよく知られている.今回,肛門痛の原因を探求するために後向き観察研究を行った.[対象と方法]痔核に対してALTA治療を施行した症例を対象とし,肛門痛のあった症例(52例)を「肛門痛あり群」,なかった症例(231例)を「肛門痛なし群」と定義した.性別,年齢,Goligher分類,痔核個数,ALTA治療の既往,ALTA合計投与量,痔核1個あたりの最大投与量の7項目を説明変数として,多変量解析を行った.[結果]ALTA治療後の肛門痛における有意なリスク因子として,痔核の個数が示唆された.
[目的]主な痔核治療の1つである注射治療(ALTA治療)の合併症として肛門痛がよく知られている.今回,肛門痛の原因を探求するために後向き観察研究を行った.[対象と方法]痔核に対してALTA治療を施行した症例を対象とし,肛門痛のあった症例(52例)を「肛門痛あり群」,なかった症例(231例)を「肛門痛なし群」と定義した.性別,年齢,Goligher分類,痔核個数,ALTA治療の既往,ALTA合計投与量,痔核1個あたりの最大投与量の7項目を説明変数として,多変量解析を行った.[結果]ALTA治療後の肛門痛における有意なリスク因子として,痔核の個数が示唆された.
参考文献
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