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文献詳細

雑誌文献

臨床外科7巻1号

1952年01月発行

文献概要

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カテーテルによる脊髄麻醉に就て

著者: 大谷五良1 飯田文良1

所属機関: 1東京大學醫學部福田外科教室

ページ範囲:P.18 - P.22

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 カテーテルを蜘蛛膜下腔に挿入する事は既に1935年Love1)により試みられている.彼は髄膜炎患者に対して腰椎穿刺を繰返えして施行する事を避ける爲に輪尿管ヵテーテルを腰椎穿刺針を通じて蜘蛛膜下腔に挿入して7日間にも及んだ。1944年Touhy3)はLemmon2)により始められた持続脊髄麻醉(Continous spinal anesthesia)の手技のうち腰椎穿刺針を刺したまゝにしておくのを改めてLoveと略々同様の方法で特別の腰椎穿刺針を通じて輸尿管カテーテルを蜘蛛膜下腔内に挿入した.そしてSaklad4)は1947年カテーテルをTh8又はそれ以上の高さまで25〜30cm挿入して脊髄分節麻醉を確立したことは衆知のことである.
 上述の如く脊髄麻醉を行う際にカテーテルを蜘蛛膜下腔内に挿入するのは手術中任意に藥液を注入して持続脊髄麻醉又は分節脊髄麻醉を行うことを目的としたものでその利点とする所は次のようなものである.第1に確実に脊髄麻醉を行い得ること,第2に麻醉時間を任意に延長し得ること,第3に單純性脊髄麻醉に於ては麻醉藥を大量用いて麻醉時間の延長を計ろうとすれば危險が伴い,麻醉藥を少量用いれば時間が短くなると云う矛盾を解決したこと等である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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