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文献詳細

雑誌文献

臨床外科7巻10号

1952年10月発行

文献概要

綜説

プロトロンビン粉末に就て

著者: 菊池惇1

所属機関: 1弘前大學醫學部外科教室

ページ範囲:P.480 - P.481

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 血液凝固の機序に就て,現在多く支持されて居る学説はSchmidt(1872)のトロンビン凝固説を中心とした,所謂典型的血液凝固説であつて,之を土台として機序に関する構想は一大飛躍をなしつゝある.尚所謂典型的凝血説は次の二相に要約出来る.
 I.Prothrombin + Thromboplastin + Ca —→Thrombin
 II.Thrombin + Fibrinogen —→Fibrin
 斯く,Prothrombinは血液凝固の一要素をなして居る,然し其の本態に就ては混沌として未だ解決に至つて居ないが,最近Cohn(1946)は血漿Globulin中のIII2分劃中に存在して居ると云う.而してこのProthrobinは肝臓に於て合成されるとも云われる.而も合成には正常な肝臓と胃腸の機能を必要とする.健康人に於けるProthrombin濃度は,血漿1cc中に約300單位が含まれて居ると云われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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