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症例
再発性肺炎双球菌性腹膜炎後に虫垂炎性腹膜炎を発病した1例
著者: 名和嘉久1
所属機関: 1名古屋大學醫學部戸田外科教室
ページ範囲:P.506 - P.508
文献購入ページに移動 肺炎双球菌性陽膜炎はその症状,治療,予後等に於て他の病源菌による腹膜炎とは稍々異つて特殊の地位を占めるものである.1885年Bozzoloにより本症が記載されて以来,臨床医家の注目する所となり,欧米に於てはJensen(1903),Rohr(1911),Wolfsohn(1926),Kirchhoff(1930),Obadaleck(1931)等により幾多の研究が発表され,本邦では大正2年塩田教授により報告されて以来多数の報告例並に統計的観察があり,戸田外科に於ても高橋,劉,三沢,河石,田代,渡辺氏等により10数例の報告を見るが他病源菌による腹膜炎に比し少く,又小兒虫垂炎も本邦の統計によると極めて症例の少いものである.私は最近3回の腹膜炎発症に於て最初2回は肺炎双球菌性腹膜炎で最後の1回は虫垂炎性腹膜炎であつた1例を経驗し,経過上興味を感じた小兒例を報告する.
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