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文献詳細

雑誌文献

臨床外科7巻11号

1952年11月発行

文献概要

特集 上腹部外科臨床の進歩

胃十二指腸潰瘍の穿孔

著者: 勝屋弘辰1

所属機関: 1熊本大學

ページ範囲:P.563 - P.571

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まえがき
 ここにいう穿孔とは急性穿孔の謂いであつて,潰瘍が突然癒着のない遊離腹腔内に破れる場合を指し,穿孔の結果多くは急性腹膜炎を招来する.急性穿孔に対して穿通なるものがある.この場合にも潰瘍はやはり胃壁全層を侵触するが,漿膜を穿破するにさきだつてまず潰瘍部と隣接臓器たる肝,膵,横行結腸間膜,脾,腹壁等との間に癒着が起り,然る後潰瘍は徐々に胃壁を貫いて遂にこれら臓器組織内に侵蝕して行く,從つて穿通性潰瘍に於ては潰瘍底はこれらの臓器によつて作られている.かくの如き穿通の場合には穿孔の場合と異り穿通部と遊離腹腔とは遮断されておつて直接連絡していないので汎発性腹膜炎を惹起する惧れがない.
 ここでは穿通については触れないで,もつぱら急性穿孔について述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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