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文献詳細

雑誌文献

臨床外科7巻11号

1952年11月発行

文献概要

特集 上腹部外科臨床の進歩

膵臓切除術

著者: 古岡一12

所属機関: 1東京大學醫學部 2東京警察病院外科

ページ範囲:P.607 - P.616

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 膵臓,総胆管下部,Vater氏膨大部或は十二指腸の惡性腫瘍並びに胃癌が膵臓に波及したるものに早期に膵臓切除術を施行す可きは当然のことながらこの領域は損傷してはならない重要な大血管や内臓神経が輻輳する所であり,胆管や膵管の処置が困難であり,又膵臓自身内分泌臟器としても外分泌臓器としても重要な臓器なのでこの手術を敢行するものは極めて寥々たるものであつた.1882年Minkowskiがはじめて膵切除術を施行し,1892年HalstedtがVater氏膨大部癌剔出術の治療例を報告して以来は1933年Whipple,Parsons & Mullinが二次的切除術を施行して成功する迄稀に報告はあるが多くは不成功に終つている.Whipple等の成功は大いに外科医を刺戟しBrunschwig, Cattel, Orr, Waugh, Hunt, Pearse等諸家の報告が相踵いで現れDragstedt等の基礎的研究と相俟つて本手術は長足の進歩を見るに到つた.本邦に於ては余が昭和24年10月第482回東京外科集談会に於て胃癌が膵に波及したるものに胃,膵,十二指腸切除術を施行した2例を報告したのが最初でその後梶谷,本圧,大野,桂ら諸家の報告が相踵ぎ,最近に到つて本手術の急速の進歩を来した.本稿に於ては吾々が行つている術式を紹介し,以て諸賢の御参考に供したいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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