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特集 上腹部外科臨床の進歩
上腹部外科に於ける2,3の問題
著者: 本庄一夫1
所属機関: 1京都大學外科學教室第一講座
ページ範囲:P.629 - P.639
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膵臓惡性腫瘍に対して,これが限局性のものであることが明瞭であれば,術後の生理学的変化を考慮して出来得れば部分切除を行うべきであることは言を俟たない.
しかしながら,往々にして腫瘍による主膵管閉塞に伴う末梢部の組織硬化(結合織増殖)のため,どの部分までが眞の腫瘍であるか判定に迷うことがある.また頭部に発生した癌腫のために主膵管内腔の閉塞が生じたような場合は,拡張した膵管内腔を癌細胞が遠く浮游し,その際頭部切除のみにとゞまると,後刻この浮游する細胞に基因する再発の惹起され得る危險性のあることが指摘されている.
膵臓惡性腫瘍に対して,これが限局性のものであることが明瞭であれば,術後の生理学的変化を考慮して出来得れば部分切除を行うべきであることは言を俟たない.
しかしながら,往々にして腫瘍による主膵管閉塞に伴う末梢部の組織硬化(結合織増殖)のため,どの部分までが眞の腫瘍であるか判定に迷うことがある.また頭部に発生した癌腫のために主膵管内腔の閉塞が生じたような場合は,拡張した膵管内腔を癌細胞が遠く浮游し,その際頭部切除のみにとゞまると,後刻この浮游する細胞に基因する再発の惹起され得る危險性のあることが指摘されている.
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