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文献詳細

雑誌文献

臨床外科7巻11号

1952年11月発行

文献概要

特集 上腹部外科臨床の進歩

S字状結腸間膜裂孔内小腸嵌頓による腸閉塞症の1例

著者: 若林利重1 益山栄良1

所属機関: 1東京警察病院外科

ページ範囲:P.674 - P.677

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 腸間膜裂孔は1776年Heuermann氏によつて始めて剖檢的に発見せられたもので極めて稀有なるものであるが腸管の裂孔内嵌入により腸閉塞症を惹起することがあるので外科医の一應念頭におくべきものである.
 本疾患は本邦に於ては明治42年高安氏の症例報告以来32例を算するに過ぎず,その大半は廻腸下部間膜に見られ,小数が小腸上部腸間膜並に横行結腸間膜に存し,S字状結腸間膜裂孔に至つては更に稀なるもので昭和17年岡村氏の報告1例をみるのみである.私等は最近東京警察病院にてS字状結腸間膜裂孔に廻腸が嵌入して腸閉塞を起した1例を経驗したので茲に報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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