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文献詳細

雑誌文献

臨床外科7巻13号

1952年12月発行

文献概要

綜説

上腎腫の異型例,特に其の組織発生説に就いて

著者: 黑羽武1 並木岡一1 確氷昌2

所属機関: 1東北大學醫學部病理學教室 2秋田縣立第二病院參木内科

ページ範囲:P.765 - P.768

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 Grawitz氏の提唱以来,腎臟から発生する上腎腫は,多年に亙つて副腎皮質の迷芽に由来するものと信じられて来たが,英國2)3)の学者は夙にその不合理を指摘し,之が原発性腎臟癌に他ならぬことを主張した.戰後は独逸の学者4)も記載を改めて,上腎腫樣癌と看做す趨勢にある.吾が國でもこの腫瘍の報告例は多数あるが5)6)7)8),その組織発生に就いて疑義を表明した研究は乏しく,ひとり杉村(昌)9)が腎盂上皮からも発生し得る可能性を力説したに止まつている.余等は摘出された上腎腫の1例を檢索し,その異型像に就いて文献を調査したが,偶々剖檢資料で遭遇した腎嚢腫の所見と対照して,両者の関連性に興味を懷いた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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