文献詳細
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文献概要
緒言
腸管良性腫瘍に因る腸重積症は稀有なものでないが空腸に発生する脂肪腫は比較的少く且つそれに因る逆行性腸重積症を起した症例は極めて稀である.尚本症例は4〜5年前発病し始め慢性腸重積症の症状を呈していたものであり且つ其の当時虫垂炎と誤診されたため慢性症から急性症に移行しても尚其の病名が固執され,ために手術の時期が意外に遅れ遂に不幸な轉帰をとつたものである.依つて茲に其の症例を報告して本症知見の追加を試みると共に腸重積が他の疾患と誤診され易い点を指摘し臨床上の参考に供したいと思う.
腸管良性腫瘍に因る腸重積症は稀有なものでないが空腸に発生する脂肪腫は比較的少く且つそれに因る逆行性腸重積症を起した症例は極めて稀である.尚本症例は4〜5年前発病し始め慢性腸重積症の症状を呈していたものであり且つ其の当時虫垂炎と誤診されたため慢性症から急性症に移行しても尚其の病名が固執され,ために手術の時期が意外に遅れ遂に不幸な轉帰をとつたものである.依つて茲に其の症例を報告して本症知見の追加を試みると共に腸重積が他の疾患と誤診され易い点を指摘し臨床上の参考に供したいと思う.
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